法人営業の経験がある社内SEのひとりごと。ちなみに10回以上転職してます。

40歳で12回目の転職活動という人生の節目で、 幸運とも風変わりとも言えるキャリアを振り返るきっかけとして、 本コンテンツを作ろうと思いました。      読者登録やブックマーク・コメントなど、お気軽にどうぞ。

新入社員研修と甘酸っぱくてほろ苦い思い出について

2年制の専門学校を卒業して、最初に勤めた会社が
京都市内にある出版社兼人材教育系の会社でした。

2週間のグループ研修が終わった後、
いわゆる営業研修として書店営業を2か月ほど経験しました。
私の教育を引き受けていただいたのが、
たしか30代半ばの女性の上司でした。

京都だけでなく全国の書店営業員から注目されている人で、
どんな教え方をするのだろうと私まで注目されました。

始めて上司と挨拶した時
「よろしくね。全てのやり方を教えるから、とにかくついてきて。」
と励まされ、内勤も外勤も毎日ひたすら同行しました。

上司は小柄でショートヘアで、快活で気が強い人でした。
最初に営業エリアである大阪市内に同行した時は、
移動の電車で
「私の横に座りなさい。寝ないように見ててあげるから。」
と言われ、苦笑いしました。

書店の販売員さんとは、今思い出しても華麗でよどみのない
エレガントな営業をされました。
小さな営業用のバッグを肩から掛けて、
販売員さんと明るく会話をしながら、
気が付いたら大きな受注を獲得していました。
どうすればそんなに大きな注文が取れるのかと訊くと
「今の貴方が真似をしなくてもいいの。だから教えてあげない。」
と言いました。確かにそうですよね。

約一カ月の同行営業を終えて、いよいよ独り立ち。
人生最大級の不安と緊張を胸に初めて支店を出る時、上司は
「いってらっしゃい。可愛がってもらうのよ。」と。
ええ、それはもう可愛がってもらいましたよ。
毎日ひたすら書店を回りました。
何しろ書店の名前と場所を覚えるだけでも大変ですから。

ようやく初任給がもらえた日、上司は給与明細の封筒を見て
「ふーん、貴方でもお給料頂けるんだ。もったいないわね。」と
いたずらっ子のように言いました。

文字通り毎日書店を巡り続けて、
どうにかこうにか一カ月の営業目標を達成し、上司に伝えると
「おめでとう。でも私が預かってる目標の4分の1よ。わかってる?」
と、ニコニコ笑いながら褒めてくれました。

 

書店営業研修の最終日、上司は私に握手を求めました。
手汗を拭いて握手すると
「またいつでもいらっしゃい。向こうでもがんばるのよ。」
と、励ましてくれました。

翌年、本配属先の仕事で上司のもとを訪れました。
上司は今年入社の新入社員を研修されていました。
上司は私に後輩を紹介した後
「彼は貴方の後輩ね。貴方と違ってとても優秀よ。」と
いつものように私の心を見透かすように笑いながら紹介してくれました。

21年前のセピア色の思い出、甘酸っぱくてほろ苦い思い出です。